カットの中の幽霊 ソロモンの偽証前編

映画『ソロモンの偽証』オフィシャルサイト <前篇・事件>2015年3月7日(土)、<後篇・裁判>2015年4月11日(土)公開

バブル経済が終焉を迎えつつあった1990年12月25日のクリスマスの朝、城東第三中学校の校庭で2年A組の男子生徒・柏木卓也が屋上から転落死した遺体となって発見される。警察は自殺と断定するが、さまざまな疑惑や推測が飛び交い、やがて札付きの不良生徒として知られる大出俊次を名指しした殺人の告発状が届き、事態は混沌としていく。遺体の第一発見者で2年A組のクラス委員を務めていた藤野涼子は、柏木の小学校時代の友人という他校生・神原和彦らの協力を得て、自分たちの手で真実をつかもうと学校内裁判の開廷を決意する。
ソロモンの偽証 前篇・事件 : 作品情報 - 映画.com



写真は何の関係もないですが、これ前後編なんですよね。キャプションにもある通り、前後編だと前編で確定したことが後編で覆されたりすることがあるので、前編だけで何かを書こうと思ってもいろいろ映画の準拠するフレームが揺れているというかぼやけているというか、とにかく書きにくいんですね。なので、話のことというよりは前編で行われている演出について書こうと思います。

演出と言ってもよく見ないとわからないようなことについて書こうということではありません。見たらすぐに変だと分かることがあります。この映画に出てくる中学生は何故か皆すごくキャラが濃いのですが、一番すごいのが死んだ柏木くんですね。柏木くんは冒頭ですぐ死んだことになってしまうのですが、この映画では死んだと思われたあとに何故か彼が生きているような演出をしています。何気ない回想中の現在に続いてその回想の回想がでてきて柏木くんが突然あらわれ「そういうの口先だけの偽善者っていうんだよ」と説教しに来る、これが本当に笑ってしまうほどウザい感じで出てきます。これ最初誰なんだろう、と思ってたら死んだ柏木くんなんですね。その回想と回想の境界がとても薄くて(薄いというよりはほとんどない、時間がいい意味で乱暴に切れてる場面があって描かれてないことがよくわからないようになっている)回想と回想内回想が地続きに見えるように編集されているので、一見すると柏木くんが生きているような奇妙な体験をすることになります。それを強化するようにか2年A組の担任の森内先生が「柏木くんは生きている」と言っています。もちろん劇中では何か狂ってしまった人みたいに描かれているのですが、本当はどうなのかまだわかりません。

なんかあらゆることが嘘っぽいので…、後編に期待したいです。

((邦画大作に増える“前後編2部作”は成功しているのか? | ORICON STYLE)前編見てないと後編見ないと思うけどなあ。DVDになったら見るかなあという感じになるような気もするけど、よくわかりません。)
9/10/2020
更新

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